あたらしい祈りの形を探る

伝統技術や地場産業とのデザインプロジェクトが
増えています。
歴史ある技術や文化。一朝一夕には育たない伝統技術はもとより
地域に根付いた美しい素材もそれにあたります。
言うまでもなく、簡単に絶やしてはならない日本の宝です。
しかし、これらを未来に繋げていくには
新たなチャレンジも必須であり、価値観の変化に対応していかなければ
生き残ってはいけません。大手企業も、私のような零細も
本質的な課題は同じような気がします。
いわゆる”ものが売れない時代”
最近は地方産業を灯りを通じてサポートさせていただく
機会が増えて参りました。
プロジェクトに参画させていただく際に、
必ずお話しすることがあります。
「一発当てる」「即効性のある」デザインを目指すのではなく、
手に取っていただいたお客様に、新しいライフスタイルを
もたらすような、じわじわとそのものの本質が伝わるような
製品を、一緒につくりましょう、ということです。
表面上のデザイン開発をしてもすぐにライバルが出現し、
いずれは飲み込まれてしまう。
一発当たてるような狙い撃ち製品は、すぐに風化してしまう。
だから、じわじわと時間をかけて、暮らしに馴染んでいくような
気付いたらいつもそばに置いておきたくなるような
デザイン開発を心がけています。
簡単なことではありませんが、想像力と、コミュニケーションを
諦めなければ、新しいライフスタイルに繋がるデザインが
生み出せると信じてやみません。
写真は、仏壇業界の”新しい祈りの形を探る”
プロジェクトの中で、私が作ったものです。