長崎ランタンフェスティバル×Feel Lab

悩みました。相当悩みました。
雅叙園さんからいただいたテーマは、
長崎ランタンフェスティバルさんの空間演出。

私は実際長崎の祭りをみたことがなく、
送って頂いた写真を見ると、まぁとにかく明るい!
そして光源がきらきらと見えている。
誤解のないよう言っておきますが
長崎産のランタン表現が良くないということでは
決してありません。
ただ、私は暗がりを表現する作家です。
コラボレーションということは、ただご一緒する(足し算)ではダメ、
ご一緒させていただく何かしらの意味(掛け算)でなければ、、
これは私の師匠からたたき込まれた考え方です。

明るいランタンの灯りと
私の灯りとをどのように融合させるべきか・・・・・・・・・本当に悩みました。

がぉーっと吠えたくなる心境?でした笑
まずは、工房に暗がりを作って実験。
これしかありません。
ランタンは設営時にしかお目に掛かれないため
妄想+実験
思い至ったのは、背景をどう使うか、ということ。
頂いているスペースは2m×3mほどの狭小空間。
背景を使うと言っても、壁です。
ここは、これしかありません。
私の得意な(好きな)影武者!

今回用に制作した秘密兵器?
影を動かす投影機(自作)
と、影の元。長崎くんちをデザインしたもの

こんな動きをします。
もう一つ。
獅子がズームアップする動き。
※獅子はスペースの都合で本番はカットしました
これを背景に、ランタンを演出することに決めました。
ランタンの灯りはギリギリまで落とします。
灯りのテーマは以下のように
妄想しました。
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疲れたランタン。
いつも煌々と点灯するのも疲れるんだよ。
今日も祭りの仕事を終え岐路につくランタン。
人目から遠ざかるころ、次第に灯りを落としていく。
自分だけの時間。
灯りが消えようとした瞬間、くんちが追いかけてきて
声をかける。
空には月が出ているよ。
今日もよく光ったね。
お疲れ様。
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こんな架空のストーリーを考えて
灯りを作っていきました。
完成した灯りがこちら。

ランタン内にあった10個ほどの電球を外し、
ちょうどよい光源をひとつだけ仕込みました。
思った以上にいい感じに光りました。嬉しい。。
実験動画のように、くんちが動いて追いかけてきます。





悩んで作り上げたコンセプトでしたが
途中からとても楽しく制作が進みました。
お祭りですから!楽しんで作らないと! と思いながら作った分
あかりからもそんな雰囲気が出ているかもしれません。
(出ている良いな、と思います)
内覧会では、長崎市の役所の方々もとても喜んでくださって
とても有意義な合作となりました。
長崎には実際にくたびれてお役御免となったランタンが
たくさんあるそうです。
そんなランタンたちが、また活躍する日が来るかも、、、
得意の妄想が拡がります笑
昨年に引き続き、あかり展にお声かけいただいた
雅叙園のアートディレクターさんに感謝です。
その他、作家さん方が作った多数の作品を
照らす役割も今回いただだき、そちらに関しても
私なりに様々な工夫をして挑みました。
☆その辺につきましては
別のコラムにてご紹介いたします。 以上