街の中心にあるパン屋 他2件

2021.3竣工
施主 株式会社拓匠開発
建築 上領大祐建築設計事務所
所在地 千葉県 千葉市花見川区 さつきが丘
人気のパン屋、トイット2号店が千葉に建つということで
照明を担当させていただきました。
今回はやまぐちあきこ氏とのチームで実施することになり
基本デザイン:やまぐち
照明設計、器具制作 :Feel Lab
お互いの強みを生かして進めることに。

やまぐちさんは舞台照明家として長年活躍されている
照明デザイナーであり、私が尊敬する方のひとりです。
舞台では脚本づくりから携わることも多く、美術家とは舞台構成にも意見を出し、
台本を穴が開くほど読み込み、稽古にも必ず立ち合う、それがやまぐちさんのスタイル。
やまぐちさんが照明と向き合う姿勢には、照明家として自身が出来ることをとことん
追求する、そしてお客様のためになることには一切の妥協を許さない、
という気迫を感じます。

舞台と建築は畑は違えど、デザインへの想い、行動力、そして人間力には
勉強になることが多く、建築照明で合作させて頂けたことをとても嬉しく幸栄に思っています。
その分、プレッシャーがすごいのですが(汗

今回、やまぐちさんから提起されたデザインコンセプトは
「舞台のような作業場をつくる」。
一見、ハテナ? ですが
嚙み砕くと、
ものづくりは、現場が主役。
普段後回しにされがちな現場(パンづくりの作業場)にフォーカスし、
現場の魅力を照明の力で引き出していこう、というもの、
そして、来店するお客様にも作業場の魅力を見ていただこう、という
ワクワク感の詰まったアイデアで、その環境が働く方たちのモチベーションになり
お店全体の活性につながることをイメージした提案です。
照明家、やまぐちさんの本領発揮です。
プランの初見で私はワクワクしていました。
この骨子をもとに、二人で具体化を進めていきました。



作業場を舞台に。
この課題に対しては、2種類の吊り下げ式照明で対応していきました。
奥行感の表現と、照明で作業場にリズムを生み出しています。



一方、売り場の照明は、
私の造作作品を中心に行くことにしました。
メインはL字型のライン照明。全長5.5m、鉄製です。




これに合わせ、ペンダント照明のソケットも
鉄製で造作しました。

さらに、壁付けのブラケット照明も細い鉄管で造作しました。






建築も周辺環境も素晴らしく、
オープン日は長蛇の列となったトイット。
やまぐちさんと合作となった初めての建築照明「トイット」は
双方の良いところが詰まった味のある照明空間に仕上がったと
自負しております。
今後も素敵な合作の機会があることを期待しています。